
〈Sound Of 2016〉への選出を経てこの初作が全英1位を記録。若手バンドがブレイクしにくい状況にあって、きっちり結果を残した彼らは立派です。マンチェの伝統を継ぐネオ・サイケ(ローゼズ先輩のお墨付き!)が眩しかった。 *山西

ヴィヴィッドな前作も最高だったけど、鮮明さを翳りにまぶしてRamzaとFree Babyroniaのビートに専心した本作もまた魅力を更新。C.O.S.A.とNERO IMAIの客演も含め、ゆっくり広がってきた東海勢の熱気も象徴する一枚でした。 *出嶌

フランスで2014年に発表された本作が、全英2位を記録するなど世界へ伝播。MJ“Thriller”をぼかしたような“Science Fiction”ほか、ロードっぽい文学的感性を湛えた楽曲群は耐久年数が長そうで、きっとまだ伸びますよ! *山西

DJ SNAKE Encore DJ Snake/Interscope/ユニバーサル(2016)
前年にメジャー・レイザーとの“Lean On”でドリームーンバートン的な流行の種を蒔いた敏腕は、この初作でみずからトレンドを収穫。ジャスティン・ビーバーとのトロピカルな“Let Me Love You”まで、硬軟自在でもう無敵です。 *出嶌
近年はロッキンなジャズ・アクトも増加するなか、独立独歩のピアノ・トリオは本作でもラウド&リズム・オリエンテッドな超絶展開のナンバーを連発。リオ五輪の閉会式で楽曲が起用されるなど、活動の場も無制限に拡大中! *土田

ヒップな奇抜さもあって、折衷的にも楽しめるけど、ちゃんとソウルが宿っていて、BBCの新人番付などにさほど興味のないような層にも確実に刺さったフューチャーR&B。この高音ヴォイスは雰囲気なんかに呑まれない。 *山西

コンプトン景気に刺激され、J・ディラとの秘蔵曲を解禁するなど西モードだったボス犬。その流れを受けての本作は、メロウでブッといビート上を悠々と泳ぐ様からジョー・クール製のジャケまで、何もかも完璧でした。 *山西
〈踊れるジャズ〉を標榜してきたクィンテットのPlaywright移籍第1弾作品は、迫力あるプレイのせめぎ合いで暴力的なダンス・グルーヴを巻き起こすハードな一枚。スカなども採り入れつつ、躊躇なく爆走する漢気にヤラれますよ! *土田
持ち前の切実さがストレートな楽曲性とハゲしくスクランブルして一気に輪を大きくした、この年2枚目のアルバムとなるメジャー初作。時代のパンクな空気も味方につけて刺さりまくったクソ最高な名盤です。まだデカくなるはず! *出嶌

インディー・フォークな作風から変化を求めた本作は、神秘性と幻想性を湛えた世界観は保ちつつ、その構成要素を新装。ロボ声化したゴスペル歌唱、鍵盤中心の有機的な響きやノイズ、実験的なサンプルで厳かな美を築き上げた。 *土田

フロントを張る男女の鮮烈なキャラといい、無国籍にも程があるビートといい、徹底的にハイでハードな音楽性は真にフリーダムなハイブリッド感覚に根差したもの。異常な楽しさに襲われる、2016年屈指のブッ飛び盤だ。 *土田

ノーマークだったけどビックリするぐらい素晴らしかった名盤。翌日には忘れるような雰囲気モノではなく、個性的な熱情を放つ歌声がとにかく残る。もっともらしいオケの話もいいけど、やっぱりR&Bは歌じゃないでしょうか、と。 *出嶌