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シル・ジョンソンを知るための定番たち

SYL JOHNSON 『My Gift』 Numero( 2016)

59~62年にフェデラルから放ったシカゴおよびシンシナティ録音の初期シングル6枚(12曲)と未発表2曲を、当時アルバムが出ていた体でまとめた編集盤。朗々と歌い上げるジャッキー・ウィルソン風の“Teardrop”やキング系列の先輩であるジェイムズ・ブラウン“Please Please Please”のカヴァーなど、統一感はないがファンキーなシル節の萌芽が見てとれる。シカゴ流モダン・ブルースも収録。 *林

 

SYL JOHNSON 『Do You Know What Soul Is?』 Numero(2016)

フェデラル退社後、チャ・チャ、TMPティング、ザクロン、タグLtd.、スペシャル・エージェントから出した63~67年のシングルおよびワン・ダーフル!での未発表曲を、これまた当時アルバムが出ていた体でまとめた編集盤。14曲すべてがシカゴ録音で、インプレッションズなど地元のソウルやモータウンなどに影響を受けつつストリート感覚を強めた曲が並ぶ。ヴォーカルも武骨で荒々しい。 *林

 

SYL JOHNSON 『Dresses Too Short』 Twinight/Numero(1968)

前年にリリースした代表曲の“Come On Sock It To Me”や“Ode To Soul Man”などの自作曲をはじめ、トワイライト/トワイナイトでの初期シングルを軸にしたファースト・アルバム。JBっぽいシャープなダイナマイト感とオーティス・レディングの滋味を併せ持ったタフでキレのある歌唱がド直球の濃厚なパッションを放ちまくっている。“Different Strokes”はここに収録。 *出嶌

 

SYL JOHNSON 『Is It Because I’m Black』 Twinight/Numero(1970)

内省的な表現、ビートルズやジョー・サウスの曲をカヴァーしたジャンルの越境など、ニュー・ソウル的要素を満たした名作。人種差別に言及した嘆きにも近いバラッドの表題曲は、そのインスト版“Soul Heaven”でも浮き彫りとなるようにシルのブルース・ルーツが垣間見える。“Right On”は、ジミー・ジョーンズと制作に関与したピーセズ・オブ・ピースの演奏が映える熱いファンクだ。 *林

 

SYL JOHNSON 『Back For A Taste Of Your Love』 Hi/Solid(1973)

ハイと契約し、ふたたびメンフィスに乗り込んで録音した同社での1作目。ウィリー・ミッチェルの制作で、ハワード・グライムスのバックビートが際立つハイ・リズムと一体になって歌うシルが力強く清々しい。ジャンプ・ナンバーの表題曲、アール・ランドル作の優美なバラード、スタンダード曲まで、当時のハイとシルの勢いがぶつかり合って生まれた珠玉のソウル・ミュージック集だ。 *林

 

SYL JOHNSON 『Diamond In The Rough』 Hi/Solid(1974)

妻のブレンダも共作者に名を連ねたヒット“I Want To Take You Home(To See Mama)”を含む、この移籍後2作目もハイ時代の充実ぶりを象徴する名盤のひとつ。引き続きウィリー・ミッチェルの制作で、鉄壁のグルーヴに運ばれた冒頭の“Let Yourself Go”から黄金期のハイ・サウンドが存分に楽しめる。シカゴ風味のブルース・フィーリングが入り交じってくる歌い口も魅力的だ。 *出嶌

 

SYL JOHNSON 『Total Explosion』 Hi/Solid(1975)

ウィリー・ミッチェルの制作盤としては最後となったハイでの3作目。前2作の勢いを受け継いだ快作で、生涯最大のヒットとなったファンキーなジャンプ曲“Take Me To The River”を含むアルバムとしても忘れ難い。同曲を含めて自身がハーモニカを吹く場面も多く、ブルージーなバラッド“That’s Just My Luck”ではギター・ソロを披露するなど、ブルースマンとしての側面を見せる曲もある。 *林

 

SYL JOHNSON 『Uptown Shakedown』 Hi/Solid(1979)

ウィリー・ミッチェル不在の状況でハリウッド録音された、ハイでの最後のアルバム。当時のディスコ景気に乗った楽曲は数えるほどで、なかでも幕開けの“Mystery Lady”はタイトなブレイクが心地良くキマる洗練されたディスコ名曲だ。他曲は昼下がりマナーの小粋な歌い口で迫るエレガントなミディアムが中心。オーティス曲の軽薄なディスコ・メドレーが醸し出す二次会ムードも悪くない。 *出嶌