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90年代を象徴し、時代のムードが詰まった記念碑

当時僕の周りの友人達は「日本人が一番良い耳をしている」とよく言ったものです。古今東西の本当に良い音楽を日本人は熱心に掘って、本当によく知っていました(サバービアに代表されるような渋谷系カルチャー然り)。カーディガンズは本国スウェーデンを除けば、どこの国よりも早く日本で大ブレイクしました! 『Life』の素晴らしさを直ぐに理解した当時の日本人を誇りに思います。

その頃はビッグ・イン・ジャパンと言われかねない状況でしたが、こんな素晴らしいアルバムを他の国の人達も放っておく訳はなく、その後イギリスで火がつき、1996年にリリースされた3rdアルバム『First Band On The Moon』に収録されたシングル曲“Lovefool”がアメリカ映画「ロミオ+ジュリエット」の中で使用されると、瞬く間に世界中で大ブレイクを果たしたのはご承知の通りです。

『Life』はカーディガンズというバンドが元々持っていたスタイルの最高傑作だと思います。3rdアルバムはより世界のマーケットを意識してロック色の強いアプローチをしようとトーレがアドバイスしたように思いますし、4thアルバム『Gran Turismo』(1998年)は完全にアメリカのマーケットを意識したと思うんです。そういう意味でも『Life』は90年代という時代を象徴するアルバムだと思いますし、1995年という年や時代のムードがたっぷり詰まった記念碑的な作品だと思います。1曲1曲の完成度があまりにも凄いので、今こそじっくり聴き返して欲しい作品ですし、まだ聴いた事がない方は、まずはこの魅力的なアルバムと出会って欲しいです。

そしてこのアルバムを機に巻き起こったスウェディッシュポップブームの事も知って欲しいな。このアルバムが無ければ原田知世さんもBONNIE PINKさんも、そして僕もスウェーデンのマルメにあるタンバリン・スタジオでトーレ・ヨハンソン氏とレコーディングをする事はなかったかもしれませんね。

 


PROFILE: カジヒデキ

千葉県富津市出身。富津市観光大使。1997年1月に発表した1stアルバム『MINI SKIRT』は世界的なブームになる直前のスウェディッシュポップの要素を取り入れ、30万枚を超える大ヒットを記録するなど、90年代の渋谷系を牽引した。その後もトーレ・ヨハンソン、エッグストーン、パステルズ、ベルトラン・ブルガラらと制作した作品を発表するなど自身のルーツとなるネオアコースティックをベースに音楽的な領域を拡げている。19枚目となる最新アルバムは2024年にリリースした『BEING PURE AT HEART ~ ありのままでいいんじゃない』。
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