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ESSENTIALS
ベティ・デイヴィスの作品

BETTY DAVIS 『The Columbia Years 1968-1969』 Light In The Attic(2016)

コロムビア時代の発掘音源を中心とした作品集。本文で触れたベティ・メイブリー名義のシングル(“It’s My Life”は別テイク)も含むが、注目はハービー・ハンコックらが参加したマイルスとテオ・マセロ仕切りの未発表セッションだろう。自作曲を中心に、CCR“Born On The Bayou”のカヴァーも含み、ジャニス・ジョプリンに通じるアーシーなファンク・ロックを歌い上げる快演の連続だ。

 

BETTY DAVIS 『Betty Davis』 Just Sunshine/Light In The Attic(1973)

元スライ&ザ・ファミリー・ストーンのグレッグ・エリコとラリー・グラハム、元サンタナのニール・ショーンが関わったベイエリア録音のデビュー作。コモドアーズ用に書いていたという曲を含む粘着グルーヴィー・ファンクが連発され、オルガンやクラヴィネットも唸りを上げるなか、冒頭から〈運が良ければお持ち帰りされるかも〉とワイルドに歌う。ポインター・シスターズも参加。

 

BETTY DAVIS 『They Say I’m Different』 Just Sunshine/Light In The Attic(1974)

前作で体得したベイエリア・ファンクのメソッドを活かして自身が制作した2作目。荒々しい歌いっぷりは激化し、バディ・マイルスが参加した冒頭からタメの効いたヘヴィー・ファンクをぶちかます。ジミ・ヘンドリックスを主人公にしてSM趣味を描写したという“He Was A Big Freak”での乱れっぷりも凄まじい。グラハム・セントラル・ステーションの面々もバックを支える。

 

BETTY DAVIS 『Nasty Gal』 Island/Light In The Attic(1975)

アイランド移籍作。自身のバンドを従えての録音はルーファスを意識したかのようで、前半の2曲では鍵盤のフレッド・ミルズが野太い声で絡み、ベティの声もいっそうタフに。“F.U.N.K.”なるファンク(偉人)讃歌もあるが、元夫マイルスとの共作でギル・エヴァンスがブラス・アレンジを手掛けた“You And I”というスロウ・バラードも登場するなど淑やかな(?)一面もある。NY録音。

 

BETTY DAVIS 『Is It Love Or Desire』 Light In The Attic(2009)

アイランド時代にお蔵入りとなった76年のアルバムが30余年を経て登場。バンドは前作と同じだが、ルイジアナ州ボガルサのスタジオ・イン・ザ・カントリーにて録音ということで、南部っぽくレイドバックしたグルーヴィーなファンクが中心となる。ヴォーカルの表情もルーズだ。“For My Man”にはクラレンス・ゲイトマウス・ブラウンがヴァイオリンで参加。Pファンク風の曲もある。