free soul 1994>>>2014
〈フリー・ソウル〉がふたたび熱く動き出している
90年代に広まった考え方、もしくは視点――レアグルーヴ、アシッド・ジャズ、渋谷系などなど。ソウルやロック、ボサノヴァ、ラテン、ラウンジ、ジャズ、歌謡曲などなど、さまざまなフィールドの音楽から共通するワンネスを見い出してチョイスする〈括り方の名称〉という意味では同じである。94年に橋本徹(SUBURBIA)がクラブ・イヴェント主催に伴って立ち上げたコンピ・シリーズの〈フリー・ソウル〉も本来は視点そのものであり、識別するタグのようなものであった。が、コンピのヒットで名称が広まるにつれて、それが一個のジャンル名のように見なされることも多くなってしまった時期もある。が、いずれにせよ〈皆の知らないこんなイイ曲がある!〉という根本の情熱は、多くの音楽ファンにいまも鮮烈な印象を残しているはずだ。シリーズ15周年を迎えた2009年には〈コンピの新装リイシュー〉という異例の企画も話題を呼んだが、それから5年が過ぎて、またも〈フリー・ソウル〉が熱く動き出している。2010年代以降の楽曲からチョイスされた〈2010s〉も新しいイメージのジャケを纏ってコンスタントにシリーズを重ねている。選択肢が無数になった時代だけに、往時とは違う意味で〈フリー・ソウル〉の果たす役割も大きくなりそうだ。
▼現在入手が容易なフリー・ソウル・コンピ
左から、94年のコンピの新装盤『Free Soul Visions』、同『Free Soul Impressions』(共にBMG JAPAN/ソニー)、2014年のコンピ『Free Soul 2010s Urban Groove』(Pヴァイン)、同『Free Soul 2010s Urban Mellow Supreme』(ユニバーサル)
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