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永遠に現役なワン・ウェイのグルーヴ

 ワン・ウェイのリサイクルとしてまず思い浮かぶのは“Cutie Pie”だろう。オリジナルから間を置かずハート・エム・バッドのノヴェルティー・ソング“N.B.A. Rap”(82年)でベタ敷きされて以降、その重たいファンクネスは西海岸を中心にGファンク~チカーノ・ラップ界隈で定番化し、サウス・セントラル・カーテルの名曲“South Central Madness”やカム“Trust Nobody”に活かされたほか、最近もアンダーソン・パーク“Anywhere”に歌い込まれていた。他曲も基本的にはG方面での支持が厚く、トゥー・ショートやDJクイックの使用例も名高い“Don't Fight The Feeling”やサグ・ライフ“How Long Will They Mourn Me?”などに使われた“Don't Stop(Ever Loving Me)”、ジェイ・Z×ビヨンセ“Part II(On The Run)”ネタの“Believe In Me”なども忘れちゃいけない。

 一方でソウル・パートナーズ時代の“Music”はボブ・サンクラーのフレンチ・ハウス古典“My Only Love”で使われてから、ディスコ~ハウス方面では広く知られている。また、ADK一派の定番という意味では、アリシア・マイヤーズ“I Want To Thank You”とオリヴァー・チータム“Get Down Saturday Night”の普遍性も説明不要だろう。 *出嶌孝次