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ESSENTIALS
メアリー・ウィルソンの……

THE SUPREMES 『Meet the Supremes』 Motown(1962)

今回のアンソロジーに収録されているグループ時代の楽曲は大半が別ミックスや別テイクなので、オリジナル音源の収録盤についても簡単に紹介しておきたい。バーバラ・マーティンも含む4人組で録音したこの初アルバムではベリー・ゴーディJr作の“Baby Don’t Go”でリードを担当。まだ全員が粗削りな感じもする。

 

THE SUPREMES 『The Supremes A’ Go-Go』 Motown(1966)

ヒット・シングル以外はカヴァーで埋め尽くすという急造ぶりもグループの人気を象徴する絶頂期の9作目。メアリーはマーサ&ザ・ヴァンデラスで知られた“Come And Get These Memories”のリードを歌唱している。録音にフロー不在な全米No.1ヒット“You Can’t Hurry Love”はバック・ヴォーカル美学が光る一曲か(?)。

 

THE SUPREMES 『The Supremes Produced And Arranged By Jimmy Webb』 Motown/ユニバーサル(1972)

ジーン・テレルがリードを担った時代の5作目。シンガー・ソングライターのジミー・ウェッブをプロデュースに迎えてソフト・ロック寄りの音を模索した異色作で、ジョニ・ミッチェルやニルソンのカヴァーも並ぶなか、メアリーはウェッブ作の“I Keep It Hid”でリード歌唱を担当。いま聴くと独特のメロウネスが味わえる隠れ佳作だ。

 

THE SUPREMES 『The Supremes』 Motown(1975)

ディスコ時代の足音も聴きつつ成熟したメロウネスも醸したいい塩梅の一作で、全体の声の主導権をシェリー・ペインとメアリーが分け合う。ヒットした“Early Morning Love”を筆頭に“Where Is It I Belong”“You Turn Me Around”とメアリー単独リードの好曲も多いのは時代がサウンド志向に傾いていたからかも。