ESSENTIALS
パトリック・アダムスの名仕事を一部紹介!

以降もパトリックと組んでいくリロイ・バージェスを中心にしたハーレム出身ティーン・グループの初アルバム。前年のデビュー・シングルとなる表題曲での幕開けからスウィートな歌心が瑞々しく、同時期のスタイリスティックスやテンプテーションズを思わせるパトリック全面プロデュースの楽曲はいずれも高品質だ。同年の次作『Baby, Won’t You Change Your Mind』も併せて必聴。

2家族の兄弟姉妹を軸にしたシカゴの8人組キッズ・グループによる唯一のアルバム。ジャクソン5風味の甘さで迫る“Find The One Who Loves You”など2曲がパトリック作ながら、これはどちらもブラック・アイヴォリーのカヴァーだ。注目は今回の初CD化に伴うボートラで、73年のシングル“Looking For A Brand New Game”がパトリック共同制作の爽やかなアップで素晴らしい。

パトリックのメイン・プロジェクトとなったクラウド・ワンでのほぼ全音源をコンパイルした2枚組。代表作の『Atmosphere Strut』(76年)と『Funky Disco Tracks Of Cloud One』(78年)のアルバム2枚を軸に、合間のシングルや後年の“Don’t Let My Rainbow Pass Me By”(81年)、“Flying High”(82年)に至るまで、ウネウネした美意識を押し出す爽快なグルーヴは一貫している。

レッド・グレッグを主宰してディスコ時代に頭角を表したグレッグ・カーマイケルの主導プロジェクトによるアルバム。前年にシングル・リリースされたディスコ/ガラージ・クラシック“Dance And Shake Your Tambourine”はパトリックの作で、彼以外の何者でもないシンセがトレードマークになったパーカッシヴなグルーヴが強力だ。ヴォーカルにはドナ・マッギーも名を連ねる。

これもまたパトリックによるプロジェクトで、リロイ・バージェスやヴィーナス・ドッドソンらが参画したフリークでの唯一のアルバム。クリスティーン・ウィルシャーのディーヴァぶりが漲る問答無用のガラージ・クラシック“Weekend”をはじめ、ドナ・マッギーが声を入れる“May My Love Be With You”など、壮麗なストリングスと流麗なグルーヴの織り成すNYディスコの真骨頂が楽しめる。

50年代から活躍するヴェテラン・シンガーが洗練されたディスコ路線に取り組んだ、まさに78年ならではのアルバム。同年に同じアトランティックでハービー・マン『Super Mann』の全面アレンジを担当したパトリックはここでも“Dark Storm On The Horizon”のプロデュースを委ねられ、キレのある重々しいディスコ・グルーヴで濃い口の円熟した歌唱をしっかり躍らせている。

ユニヴァーサル・ロボット・バンドなどパトリック絡みの作品でたびたび歌った女性シンガーによる唯一のソロ作。プロデュースを手掛けるグレッグ・カーマイケルと共同でパトリックも全曲のアレンジを担い、喘ぎ声やモノローグも交えて歌う表題曲や“Do As I Do”など魅惑のナンバーをスムースかつシルキーな意匠で盛り上げてる。バンブルビー・アンリミテッド“Love Bug”のカヴァーも。