まず今月は、それぞれ別掲しているリオン・ウェアとのカラミに敬意を表して……シリータとGC・キャメロンのコンビが77年に残したデュエット作『Rich Love, Poor Love』をご紹介。
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CD化は15年ぶりぐらいでしょうか。シリータのソロ作で1曲デュエットしたことをきっかけに誕生した即席カップルながら、主役が共作したフィリー調の“I'll Try Again”などはなかなか素敵です。中盤の“Station Break For Love”の重層的な音作りからは『I Want You』におけるマーヴィンの……つまりはリオンの手捌きを思い出すことも可能でしょう。
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同じくモータウンの千円シリーズでは常備カタログのようでそうでもなかったエディ・ケンドリックスの代表作、73年の『Eddie Kendricks』も出ております。説明不要の“Keep On Truckin'”はいわゆるディスコ感が確立される前のディスコ・ヒットとして一般常識のビッグ・チューンですよ!
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で、それとは関係なく、スティーヴ・アーリントンの編集盤『Way Out 80-84』がオススメです。昨年のデイム・ファンクとのタッグ盤『Higher』が話題になったアーバン・ファンク~ディスコ・ブギーのOGですが、スレイヴ時代はともかくそれ以降のブツはずっと入手困難だったため嬉しい人も多いはず。これはホール・オブ・フェイム名義で残した2作品からの楽曲に未発表曲もプラスしたものです。
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VARIOUS ARTISTS I'm Just Like You:Sly's Stone Flower 1969-70 Light In The Attic(2014)
で、最後はスライ・ストーンが一時運営していたストーン・フラワーの音源集『I'm Just Like You: Sly's Stone Flower 1969-70』です。数年前にエイス編集からも同趣旨のコンピは出ていたものの、そこでは聴けなかった未発表ヴァージョンも入ってたりするのが悩ましく……。