レイディオ~レイ・パーカーJrの主なアルバムと重要ワークスを紹介! Pt.2

ゲイリー・カッツがTOTOメンバーやドナルド・フェイゲンらとマイルドに仕立てた、この時期のダイアナらしいコンテンポラリー盤。そんななか、かつて女帝の『Baby It’s Me』(77年)でギターを弾いていたレイは、売れっ子プロデューサーの立場で2曲を献上。産業ロックなノリが80年代のリアルを伝える“Up Front”はさておき、苦甘いレイディオ節の“Love Or Loneliness”がいい。 *出嶌

レイディオ最終作から3作連続でタイトルに〈Woman〉と冠してのソロ2作目。エディ“ボンゴ”ブラウンやオリーE・ブラウンのパーカッションなど一部を除いて今回もレイの独演だが、サウンドは従来のソフト&メロウ感が後退し、プリンスやタイムを意識したようなブギー・ファンク“Electronic Lover”など、特にアップで電子音の目立つ曲が増えた。が、ミディアム~スロウは甘く迫る。 *林

90年代にレゲエ・シンガーとして大成するジュニア・タッカーがティーン時代に残したUSデビュー作。全編を手掛けたレイは、レイディオ“Going Through School And Love”も再利用しつつ、当時〈ジャマイカのマイケル・ジャクソン〉と賞された少年ヴォーカルの甘酸っぱさをAOR的な青さで美しく引き立てる。ニュー・エディションが翌年ヒットさせる“Mr. Telephone Man”も収録。 *出嶌

ステイプル・シンガーズにも関わったシカゴ出身のギタリスト/シンガーが、プレジャー参加後にレイの制作で吹き込んだソロ・デビュー作。アーバンなシンセ・ファンクも飛び出すが、全曲でペンを交えた主役はスウィート・ソウル風のスロウを繊細なハイ・テナーで歌うなどの独自性を見せつける。ただ、“A Gentleman”は“Mr. Telephone Man”の姉妹編的なレイ印のナンバーだ。 *林

現在は前作との2in1盤で入手が容易な、アリスタ時代の最終作。ニヤけたシンセ・ファンク“Girls Are More Fun”や殿下ノリのエッジーなロック“I’m A Dog”などのアップが色を付けているが、〈男と女の関係〉という邦題に相応しく、昼メロ作法のラヴソング“One Sided Love Affair”に味わい深い歌謡性が潤う。エド・グリーンや駆け出し時代のチャッキー・ブッカーらが演奏面をサポート。 *出嶌

15年ぶりのソロ作。ぼさっとした声は相変わらずだが、冒頭の“Mexico”でスパニッシュ・ギターを弾き、“The Guitar Man”ではロックなギターを掻き鳴らし、懐かしいリズム・ギターの音色が飛び出すインスト“Gibson’s Theme”で締め括るという内容は、ギタリストである自身を見つめ直した原点回帰なのだろう。“Sunset Ray”ではオクターヴ奏法でジョージ・ベンソンを気取る。 *林